【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
もしも尊さんがこの写真を目にしたら……。
私は思い描いていた幸せな未来が音を立てて崩れてゆくのを感じて、激しく動揺した。
「ダメです……っ! そんなこと、やめて……!」
大きく首を振って、すがるようにして彼のスマホを掴む。勝又さんはふふんと得意げに鼻を鳴らし、私ににっこりと微笑んで見せた。
「嫌なら、支店長さんのちょっとした悪戯、見ないふりすればいいだけだよ。簡単だろ、それくらい」
耳元で、勝又さんという悪魔が冷酷に囁いた。
そんな交換条件を受け入れたくなんかないのに、尊さんにあの写真を見られるのだけは絶対に避けたかった。
きっと、嫌われる。軽蔑される。結婚の話も、なかったことになってしまう。
そんなのいや。私、尊さんを失いたくない……。
精神的に追い詰められて正常な判断力をなくした私は、良心の呵責に苛まれながらも、助けを乞うように勝又さんを見つめて告げた。
「わかりました。あなたの言う通りにします……」
「それが賢い判断だ。……じゃ、よろしく」
勝又さんはそれだけ言うと、話しは済んだ、というようにベッドから立ち上がり、別の部屋から私の服やバッグを持ってくると、こちらに放り投げた。