【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
厳しく尖った尊さんの声に、胸がぎゅっと痛くなる。けれど嘘をつくわけにもいかず、私は正直に白状した。
「ごめんなさい、そのまさかなんです……。でも、決してあなたを裏切るようなことはしていません! 彼も、あなたに昨夜の状況を一緒に説明したいと」
『……わかった。少し待て。すぐ下に行く』
未だ納得していなさそうなとげとげしい声のあと、プツッと通話が切れる。
私はタクシーで待機していた勝又さんの方を振り返り、〝お願いします〟と頭を下げた。車を降りてきた勝又さんが私の隣に並ぶ。
「前に婚約者サマは過保護って言ってたよな。殴られるかなぁ、俺」
軽い調子でそんなことを言う勝又さんに同意できず、私はひとり唇を噛んでうつむく。
いくら裏切っていないとはいえ、尊さんの瞳をまっすぐ見られる自信がない。
他の男性の家で一夜を過ごし、思わせぶりな写真を撮る隙を与えてしまったのは自分の脇が甘かったせいだ。尊さんに心配をかけてしまったのも事実だし……。
ずきずきと痛む胸を押さえて待つこと数分、マンションの自動ドアが開いて尊さんが私たちの元へ駆け寄ってきた。
「美織……!」
「尊さん……」