【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~

顔を上げ、私の姿を見た彼の瞳に怒りより安堵が滲んでいるのを認めると、申し訳なさで胸が詰まった。

なんて説明しよう。どこまで本当のことを話したらいい? 私が言葉を探している間に、勝又さんが一歩前に出て尊さんに声をかけた。

「初めまして、勝又と申します。不可抗力とはいえ、美織さんをひと晩お帰しできずに申し訳ありませんでした。しかし、彼女はなにも悪くないんです。どうか話を聞いていただけますか?」

「……ええ。こちらとしても事情を聞きたいと思っていました」

尊さんは冷静に応じ、勝又さんの話に耳を傾けた。

「昨夜、彼女は友人と、僕は仕事関係の知人とバーで飲んでいました。その時、たまたま席が隣どうしだったので、彼女がノンアルコールカクテルを注文したのは知っていました。しかし、バーテンダーの勘違いでアルコール入りのものが作られてしまったようなんです。しかも一杯のみならず、その後注文されたものも連続で」

本当は、バーテンダーの勘違いなどではなく、ドリンクは勝又さんの指示で作られたもの。しかしそんな気配は全く漂わせず、人の好さそうな顔をして彼は話を続ける。

「美織さんはやがて酔いつぶれてしまいましたが、ご友人は女性の方でしたので、美織さんを抱えてタクシーに乗るのも苦労すると思い、私が自宅に送り届けると申し出ました。しかし……」

勝又さんはちらりと私を見て、苦笑した。

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