【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~

「やっぱりちゃんとお話ししてこれは返します。このデザートが運ばれるはずだったテーブルの方たちに、残念な思いをさせたくないですもん。こういうホテルのレストランを利用するのって、大事な記念日だったり、大切な人とのデートだったりするじゃないですか。その楽しい時間を、つまらないことで台無しにしたくないです」

言い切ってすぐに、美織が手を上げてウエイターを呼ぶ。やってきたのは偶然さっきのウエイターで、事情を説明すると彼は深々と頭を下げて俺たちに詫びた。

「申し訳ありませんでした。よろしければそちら召し上がって下さい。本来デザートが渡るはずだったお客様には、新しく作ったものをお出しさせていただくので」

「あ、そうなんですね……わかりました。それなら、頂きます」

ウエイターが去った後で、今度は迷いなく、二度目のデザートにフォークを刺す美織。ケーキの甘さに思わず笑みをこぼす彼女を見ていて、俺はしみじみ思ったことを口に出す。

「お前のその、とことんまじめで、見ず知らずの他人でも思いやれるところ……俺はすごく好きだよ」

〝好きだ〟という言葉に反応したのか、美織は顔を赤らめて盛大に照れる。

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