【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~

都内のレストランを貸し切って行われた立食形式のパーティーには、八十名ほどのゲストが集まった。

ゲストのほとんどが成長著しい会社の社長、またはそれに準ずる役員で、企業のトップを担うものとして純粋に意見交換をし合う者がほとんどだが、ニコニコと友好的な笑みを浮かべつつこちらの腹を探ってくるような輩もいるので、注意しなければならない。

うっかり自分の会社の弱みを明かし、それを同業者にリークされて足元をすくわれる、なんていう話も聞いたことがある。自分がそんなへまを踏むとは思えないが、用心しておくに越したことはない。

こちらの手の内は簡単に見せず、相手からは有益な情報を引き出す。少々小賢しいそんな会話術は、こういった世界に身を置くようになってから、自然と培われた。

自らの役職がどんどん責任あるものに変わっていくにつれ、そういった腹黒さも年々増しているように思うのだが、だからこそいつでも純真無垢な美織がまぶしく、否が応でも惹きつけられてしまうのだろう。

誰もが彼女のように、常に正直でまっすぐであれと、理想としては抱いているのだろうが、実際にできる者はなかなかいない。俺だってそのひとりだ。

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