【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~

試すような口調で問われ、胸がズキっと痛む。あの写真を見たら、尊さんは戸惑うだろう。傷つくだろう。

でも……あれはしょせん偽物の証拠写真だ。本当の私は、私は尊さんを裏切ってなんかいない。

それより、勝又さんの脅しに乗って、上司の不正に目をつぶってしまうことの方が……私を信じ愛してくれる尊さんを、裏切ることになるような気がするから。

「いいんです。どうぞ彼に見せてください。それでも私は考えを変える気はありません」

私の答えを聞いた勝又さんは、不気味にニッと微笑むと、ゆったり立ち上がって壁の方へ歩く。そして、ひとつの棚の前で立ち止まった。

「やっぱりいいな、沖田さんのその妙に肝が据わってるとこ。……絶対に極妻向きだと思うのに、本当にその気はないの?」

棚の中央にある引き出しを開けて、中をガチャガチャと漁りながら再度質問してくる彼にいい加減うんざりする。

「あるわけないじゃないですか。ふざけるのもいい加減に――」

そう、強く言い返そうとした瞬間だった。いつの間にか棚を背にして立っている勝又さんが、私に向かって黒く重たそうな拳銃をつきつけ、見下すような笑みを浮かべていた。

まさか、今引き出しから出したのはその拳銃……?

< 187 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop