【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
「じゃあ、しょうがない。死にたくなければ俺のものになれって言うしかないね」
強引すぎる方法で究極の選択を迫られるけど、そんなのどちらも選べるわけがない。私はごくりと息を呑み、掠れた声でなんとか問いかける。
「あなた、いったい何を考えているの……?」
「早く言いなよ。俺の女になるって。そうすれば、こんな物騒なものはしまうから」
こちらに銃口を向けたまま、勝又さんがゆっくりと距離を詰めてくる。高まる恐怖に、脂汗が浮かんだ。
しかしその一方で、こんな行動に出るしかない彼に哀れみさえ覚えていた。
他人の心を動かす方法を〝脅し〟しか知らないなんて……可哀想な人。
人には、そんなものでは到底動かすことなどできない、かけがえのない感情があるということを知らないのだ。私にそれを教えてくれたのは、他でもない、尊さんだ。
ありがとう、尊さん。こんなに大切な気持ちを教えてくれて……。
本当はあなたと結婚したかったけれど、それが叶わくても、私はずっとずっと、あなただけを想っています。……大好きです。本当に。世界で一番。
自分の最期を覚悟した私は、胸の内で尊さんに繰り返し語り掛けた。
そして、勝又さんが私の向けた銃口が、額に触れるか触れないかのところまで近づいた時、意を決して口を開く。