【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
「自分の気持ちに嘘をついてあなたの妻になるくらいなら、死んだほうがましです。……どうぞ、撃ってください」
「……っ。きみは、なんでそんなに……」
ひるんだように瞳を揺らした勝又さんの手から、自然と銃口が下りたその時だった。突然階下から騒がしい物音がして、複数の男性の野太い雄たけびが上がった。
「襲撃か……こんな時に」
忌々しそうにつぶやいた勝又さんが、私に向けていた銃をドアの方へ向けて構え直す。
襲撃ってどういうこと? 組同士の抗争とか? そんなの、任侠映画の中だけの出来事かと思っていたのに……。
激しい格闘の音はあっという間にこちらに近づいてきて、やがてドアを一枚隔てた向こうまで迫っていた。
「死にたくなければ下がっていろ」
ついさっきまで私に銃を向けていたはずの勝又さんが、私を背に庇った。彼に守ってもらうのは不本意だが、この場では従った方がよさそうだ。
緊迫した雰囲気の中、勝又さんの背後からジッとドアの方を見つめていると、やがて騒がしさは収まり、ドアがガチャリと開いた。
そこから現れた意外な〝襲撃者〟の姿に、私は驚いて目を見張る。