【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
「ごめんなさい。次からは、きちんとあなたに相談します」
「ああ、頼んだぞ。俺たち、もうすぐ正真正銘の夫婦になるんだからな」
実感のこもった彼の言葉に、私はしっかり頷いた。
今回の出来事には、とても怖い思いをさせられたし、尊さんにもたくさんの迷惑をかけてしまったけれど……私たちふたりの絆と愛情は深まり、結婚に対する意識もさらに高まっていくのだった。
*
無事に事務所を出られた後、私たちは自宅でなく、祖母に連れられて実家へと帰ってきていた。
実家のリビングには、寝間着姿でオロオロ私の身を案じていた両親の姿があり、無事に帰ってきた私を見て心底安堵していた。
祖母から私が勝又組の事務所にいると連絡を受けた両親は、はじめ『美織にそんな度胸があるはずがない』と半信半疑だったらしいのだが、それが真実だとわかると途端に取り乱し、ふたりそろって眠れない夜を過ごしていたのだという。
「心配かけて、ごめんなさい」
両親、祖母、私と尊さんの五人がリビングに揃い、テーブルを囲むように座ると、私はまずみんなに向けて素直に謝った。