【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
語り終えた大将の手から、私と尊さんの前にそれぞれ真鯛とウニのお寿司が置かれる。
尊さんはさっそくウニのお寿司を頬張り、ゆっくり味わった後でビールを飲んだ。それから、至福の表情でしみじみ呟く。
「うまい」
「ふふっ。本当に美味しそうに食べますね。……大将の奥様が言ったこと、私にもわかるような気がしました」
「だろ?」
したり顔の尊さんは、もうひとつのウニもぱくっと気持ちよくひと口に食べた。
こんなに美味しそうに食べてもらえたら、順序がどうだとか関係なくお店側もうれしいだろう。
今まで私はずっと、親に教えられた暗黙のルールみたいなものを守るばかりで、心からくつろいでいなかったのかもしれない。
また尊さんと一緒にこのお店に来た時は、私も最初から好きなものを頼んでみようかな。
「……でも大将、今は奥さんは店には出てないんですね。俺、ここには数年前から通ってますけど、お会いしたことがありません」
尊さんがそう話すと、大将は穏やかな笑みで語りだす。