【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
「それではまた、沖田さん」
「はい、また」
ほくほく顔で勝又さんの背中を見送り、私も帰り支度を始める。
そういえば、昼間のことを聞きそびれたけれど……彼とはまたジムで会えそうだし、その時聞いてみればいいかな。
そんなことを考えつつ着替えを済ませ、マンションの自分の部屋に戻った。
お腹が空いたので何か簡単なものでも作ろうとキッチンで手を洗っていると、そばに置いていたスマホが鳴りだす。
「あ、尊さん……」
そういえば、恋しくなったら電話しろなんて言われていたけど……彼の方から掛けてくるとは意外だ。無事に出張先に着いたのだろうか。
私はタオルで手を拭い、スマホを耳に当てた。
「もしもし」
『ああ、美織か。出られるということは仕事は終わっているんだな。特に用はないんだが、ついさっきフィンランドの空港に着いたから一応報告しておこうと思って。そっちは特に変わりないか?』
電話越しの尊さんの声はいつもより優しげに聞こえて、胸がじんわり温かくなった。
朝も一応顔を合わせているのに、到着してすぐに電話をくれたのも嬉しい。遠く離れた場所でも、私のことを覚えていてくれた証拠だもの。