その少女は夢を見る
近藤「…そうか…未来から…。」
諦め掛けていると、そう言いながらうんうんと頷く近藤様が目に入る。
『…もしかして、信じてくれました?』
近藤「ん?ああ、君がそう言うのならそうなんだろう?」
…この人は、人を疑うという言葉を知らないのだろうか。
原田「近藤さん、それは流石に…なぁ?」
永倉「こいつ自体何者かも分かってねぇのに信じるのは…」
近藤「む…それもそうか、何か根拠は?」
そう聞かれ、腕を組んで考える。
証拠なんて…
神羅〈ね、ね。千雨千雨千雨。〉
やかましい自称神の声が聞こえ、見ると…にこにこと嬉しそうに笑っている。
神羅〈証拠って別に物じゃなくても良いんだよ。言葉でも、良いんだ。〉
その言葉にハッとする。
…ああ、なるほどね…?
『…原田様のお腹には傷がありますよね。』
原田「…!」
『切腹の傷です。』
そう言えば、周りの人達の目は何処となく変わったように感じる。
僕の顔はさっきより生き生きとしていることだろう。
『沖田様は大の甘味好きのはずです。金平糖は好物だとか?』
沖田「…そうだね、好きだな。」
『藤堂様、永倉様、原田様はよく島原へお行きになるとか?』
そう言えば、三人で目を合わせる。
ふふふ、ここまでくればそろそろ良いはず…。
わくわくしながら、僕は最後に土方様の方を向く。