その少女は夢を見る


『あはは。』



どうもみなさんこんにちは、一日の体験が終わった桜宮ですよ。



お仕事の終わった桜宮はただいま廊下で死んでいます。



何故かって?



『鬼方人の扱いが雑すぎますよねぇ?』



神羅〈いやぁもうドンマイしか言えないやぁ。〉



そう言いながら何処から出したかも分からないような団扇で僕を扇ぐ。



今だけは心から神羅さんに感謝しましたよ。



『鬼方様弄る暇とかないくらいに仕事押し付けてきたんですけど死ぬかもしれない。』



もうこれ以上鬼方様のところで仕事する必要はないかな。



断固拒否だわ。



『これで斎藤様も変わらない感じだったら僕はもうここを出ます。』



神羅〈沖田が居るじゃん。〉



『沖田様は最初から断固拒否です、何されるかわかったことじゃない。』



鬼方様が鬼なら沖田様は悪魔です悪魔。



「酷い言いようだなあ。」



死んでいる僕の顔を覗き込みながらそう言ってくるのは悪魔…基沖田様。



『沖田様、今のは馬鹿な一人の小姓見習いとして聞き逃してはくれませんか。』



沖田「どーしよっかなー?」



これ詰んだって感じかな。



神羅〈相変わらず呑気だよねっ!〉



何かいつの間にかマイペースになってたんですよね。



決して誇れることじゃない、寧ろ僕の欠点だとさえ思われる。



沖田「まぁとりあえず…君、今日の夜は一緒に食べるでしょ?」



『…?』



沖田「ごーはーん。」



『いや、それはまだ良くないんじゃないですか。あなた達僕のこと信用しきってないから色々調べてるんでしょ。』



そう言うと、少し顔色を変える。



ちなみにこれはクソ神に聞いたことであり僕が知ったことではない。



もう一度言おう。



僕が知ったことではない(真顔)



沖田「…そんなことまで見抜かれてるのかぁ。」



『とは言え一々みなさん見張りに来るの大変そーですよねー。僕逃げたりしないのになー。』



沖田「その根拠が見つからないからね。」



『そりゃあ未来から来たのに根拠も何もありますか。』



どこ出身だーとか、どこから来たんだーとか、どんな家に生まれたーとか。



そんなこと聞かれても、答えたって通じないじゃないですか。



別に僕は答えてもいいんですけどね。



< 37 / 50 >

この作品をシェア

pagetop