その少女は夢を見る
沖田「桜宮くん?」
そう沖田様に声を掛けられ、ハッとする。
『…何ですか?』
沖田「いや、ボーッとしてたからどうかしたのかなって。」
『…や、楽しそうだなぁ…と?』
咄嗟に言葉に出していたのはそんなことで。
実際楽しそうだなと思ってはいたけど、今は他のことを考えていたから。
沖田「ふーん…」
斎藤「………」
…あー、何か食欲なくなって来ちゃったなぁ…。
そんなことを考えていると、土方様が僕の方を見てくる。
『何ですかー?』
土方「桜宮、お前にいくつか質問をする。」
『答えなければ拷問部屋行きー、とか成り兼ねない気がするので答えられる限りのこと答えますね。』
そう言えば、少し咳き込んだ後言う。
土方「お前は何処出身だ?」
『えー…平成。』
土方「何処だって聞いてんだ。」
『日本。』
土方「殴り飛ばされてえのか?」
グー構えてそんなこと言わないでくださいよ怖い怖い(震え声)
原田「まあまあ土方さん、他のこと聞いてみようぜ?」
原田様のおかげで少し留まり、他のことを聞いてくる。
土方「…どんな家に生まれた。」
『これは武士なのかそれとも百姓なのかって質問?だとしたらどれでもないですねー、僕の時代にはそんなのないですよ。』
藤堂「親の職業とかは?」
『…さあねぇ。』
知ったこっちゃない、そんなの。
と言うより、母親は気付いた時にはずっと家に居て、仕事なんてしていないのだ。
まあ最近になってバイトは始めてたけどね…。
土方「てめぇ答える気あるのか…」
『ありますよ?ただ、答えられない質問ばかりしてくるから。』
それじゃあどうしようもないじゃないか。
そう思いながら彼を見遣る。
土方「…じゃあ、次。」
『はいはーい?』
土方「家族構成は?」
…あー、この人何なんだろーなーさっきから…家族、って僕には地雷な質問なんですけど。