その少女は夢を見る
『…それは、本当の家族?ですか?』
土方「…他に何があんだ。」
そっちの家族地雷なんだよなぁ、何だろう、ダメだなぁ。
少し考えるくらいで弱くなるようじゃあ僕の心も随分弱いな。
『母親と妹…と、出て行ったけど兄ですかね。父親は記憶のある時には居ませんでした。』
これしか言ってないのに、少し申し訳ないことを聞いたと言いたげな顔で見てくる。
あはは、このくらい序の口だ…もう少し詳しく話していけば、きっともっと凄い顔してくるんじゃないかなぁ?
見たい気持ちはあるけど、そんなことのために自分の過去を晒す気にはなれない。
『他にはー?』
土方「っ…何だ、その…未来から来た時の経緯は?」
あ~それ聞くんだ。
『未来にはこの時代にある家とか屋敷とか…そう言うの以外で、とても大きな建物が出来るんですよね、沢山。
まあ僕は学校だったんですけど…かなり高い…んーどのくらいって言うのかな…この、屯所の屋根?の三倍くらいの高さ?
から飛び降りて自分の命を絶った事でこの時代に来ることになりましたね。』
そう答えると、みんなの目が二パターンになって僕を見つめる。
「何かあったんだな」という目と、「自ら命を絶つなんて」…かな。
哀れみと軽蔑…的な?
斎藤「…何故自分の命を粗末に出来る。」
斎藤様がそっち側なのは、何となく分かってはいたけどね。
『さー?何ででしょ。』
斎藤「この時代では皆…死ぬ気で戦い、それによって命を落としていく者も居る…。
貴様がやったそのことは、その者達への冒涜になるのだぞ。」
『そーゆー理論とか興味ないんですよね。』
「生きたくても生きていられない人が居るのに、命を粗末にするな」とか。
「折角親から貰った命なのに親不孝者め」とか。
そういう偽善がだいっきらい。
そんなこと言うなら、同じ目に遭ってみて欲しいんだよね。