その少女は夢を見る


なんてそんなに性格良いわけもないよね!!



部屋に戻って地面にうつ伏せに寝転がり、ぶつぶつと文句を言う。



『何?何なの?斎藤様って何なの?聖人か何かなの??

今まで沢山の人を殺してきてるはずなのに何故今更そんなことを言っているの??

筋が通っていないからなんちゃらかんちゃらとかそういうこと言いたい感じなの一々うざいな口出しすんなよ。

僕の人生なんだから僕がどう生きようが僕の勝手だろうがそんなのも分かんないのか喧嘩売ってんのかこら。』



神羅〈そういうところ良いと思うよ。〉



流石に隣の部屋とは言えここまで小さな声で言っていれば気付かれないだろう、って思いながら愚痴を零し続ける。



『全部知ってる神羅さん的にはどうですか??僕が死んだのそんなに文句言いたくなる??』



神羅〈全部知ってれば言えなくなるよねぇ、ちょっと悲惨過ぎるからさ。〉



ですよねですよね??



いや、悲劇のヒロインぶってるとかそんなんでは決してないわけですが??



『あー…イライラして仕方ないわ…』



神羅〈まあまあ…あ、そんな千雨に面白い話をしてあげよっか!〉



ワクワクしたようにそう言いながら、ふわふわと浮いていた神羅さんは僕の目の前に降りてくる。



『…僕にとって面白くなければ何の意味もないんですけど?』



神羅〈大丈夫〜!俺にとって面白いから千雨にとっても面白い!〉



『ジャイアニズムか何かなのかな。』



ジャイ◯ン要素あるんじゃないかなんて思いながら彼の方を見遣る。



そうすれば、にこにこと嬉しそうに笑っている。



何がそんなに楽しいかは分からないけど…暇潰し程度に聞いてあげるか。



神羅〈その、天逆毎丸の話なんだけどね。〉



天逆毎丸…



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