一途な執事と甘いティータイム



私は何も答えていないのに、勝手にまわりで盛り上がっている。



ここから出たい。



もういっその事、全てを投げ出して逃げてしまおうか……そう思った時だった。



「みんなおっはよー!」



人気アイドルのライブの登場シーンかのように、教室にやって来たのは大河。



「あれー?なになに、みんな菓乃ちゃんのところに集まってどうしたの?」



教室に入るなり、私のまわりの人だかりに気づいてやって来た。



また厄介なやつが増えた。



この問題を起こした張本人。



「菓乃ちゃんってSakuraのお嬢様でしょ?だから、いろいろお話聞きたくってー」



大河に猫なで声で事情を説明する女の子たち。



「ふーん、そうなんだ」



大河は自分で聞いておいたくせに、興味のなさそうな返事をする。



何よその態度。



全て大河のせいだっていうのに。


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