一途な執事と甘いティータイム
「婚約者VS専属執事!これは面白い展開になってきたね!」
「美菜子ぉー」
全っ然面白くなんかないんだよ。
大河は私の返事も聞かずに電話を切るし、有嶋は私を脅しにかかる。
「助けて……」
私はどうすれば……
「菓乃はさ、どうしてそんなに悩んでるの?」
「どうしてって?」
「お誘いは受けてるけど2人に行くって行ってないんでしょ?どっちも嫌ならどっちにも行かなきゃいいのに」
美菜子の意見はごもっともだ。
嫌なら行かなきゃいい。
それなのにどうして悩んでるの?
「本当は一緒に見たいとか……」
一緒に?
「……誰と?」
「うーん、それは菓乃の心に聞かないとわからないかなぁ」
自分の心に、ね。
自分の気持ちがわからない。