一途な執事と甘いティータイム
「かーのちゃんっ」
「……うわぁ」
「なんでそんなあからさまに嫌な顔するの?俺、傷つくんだけど」
いやいや、私の対応はいつも通りだし。
むしろそれなのに毎回馴れ馴れしく絡んでくる大河を尊敬するよ。
美菜子との時間を邪魔するかのように私の元へとやって来た大河。
せっかくの休憩時間がなくなってしまう。
「ねぇ、昨日の約束忘れてないよね?」
「……え、なんだっけ?」
あえてとぼけてみる。
忘れるはずがないじゃない。
さっきからその事で悩みすぎて、頭が割れてしまいそうなんだから。
「えぇ、昨日花火一緒に見ようって言ったじゃん!」
ね、いいでしょ?と子犬が甘えてしっぽを振るように私を覗き込んでくる。
うん、これが大河じゃなかったら可愛いんだけど……
残念ながら私はそれじゃ落ちるわけがない。