一途な執事と甘いティータイム
「大河と一緒に見てくれる子なんてたくさんいるじゃない」
大河は不本意だけどモテる。
だから誘えばたくさんの子が一緒に見ると答えてくれるはずだ。
そもそも、既にもうお誘いが入っているんじゃない?
「違うんだよ、俺は菓乃ちゃんと一緒に見たいの」
もう、しつこい。
「嫌だって言ったじゃん」
「嫌な理由あるの?もう誰かと約束しちゃってるとか?」
───約束
「してるよ、約束」
「え、誰と?」
「大河に関係ないじゃん、そんなこと」
そう言えば大人しく引き下がってくれるだろうか。
「関係あるよ!俺、菓乃ちゃんの婚約者だし、菓乃ちゃんのこと大好きだし!」
「……っ」
大好き。
そう言われるのはきっと嬉しいことのはずだけど。