一途な執事と甘いティータイム
「ねぇ、女の子?それとも男?まさかだけど……悠生?」
大河の表情があからさまに険しくなる。
有嶋のことをどれだけよく思っていないんだろうか。
「アイツはやめなよ。家から逃げた奴だし、きっと菓乃ちゃんのことも大事にできない。そもそも執事とお嬢様の恋愛なんて誰も認めない」
「あのさ、」
カチンときた。
自分と重ね合わせてなのか、有嶋への同情する気持ちなのかわからないけど。
「私たちの気持ちも知らないでそんな事言わないで」
「もしかして菓乃ちゃん……悠生のことが好き?」
「……え?」
私は有嶋が好き?
そんなこと……
「もし違うなら来て欲しい。俺、菓乃ちゃんのこと待ってるから……」
一瞬だけ、どこか寂しそうな表情をしていた。
見間違いだろうか?