一途な執事と甘いティータイム



「やばい、もうこんな時間」




スマホで時間を確認すると休憩が終わるまであと1分。



もうクラスに戻らないと。



ずっと悩んでいてもキリがない。



気持ちを入れ替えるように、エプロンの紐をキュッと縛り直す。




「……よしっ」



「あっ、かわいー子見っけ」




背筋にゾッと悪寒が走った。



トイレから小走りで出てくると、有嶋と同じくらいだろうか……
私よりも背が高く私服姿の2人組の男の人が立っていた。



私、じゃないよね。



無視をしてその場から離れようとするとグッと腕を掴まれてしまった。




「…っ、いたっ」



「いいね、嫌がる姿。もっといじめてあげたくなる」



「制服にエプロン姿って俺めっちゃ好きなんだよね」




何よ、この人たち。



すごく気持ち悪い。



私に媚びを売る女の子たちやお偉いさんたちよりも比べ物にならないくらい気持ち悪い。



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