一途な執事と甘いティータイム


「菓乃ちゃんはさ、仮にも俺の結婚相手でしょ?もう少し興味持ってくれてもいいんじゃない?」



「無理」



「え、即答?それは悲しいなぁ……」



この"俺かっこいい"みたいな言い方もイラッとする。



確かにすらっと伸びた背は紺色のスーツがぴったり。



ルックスも素晴らしくて、その顔立ちに黒髪がとても似合う。



おまけに成績は常にトップらしいし、運動神経も抜群という噂もあって完璧な人。



ただし、性格は除く。



「俺は菓乃ちゃんのこと好きだよ」



こんなこともサラリと口にしてしまう。



「私は1ミリも好きじゃない」



好きだなんて言われたらドキッとするのが普通なのかもしれないけれど、私は大河にドキッとしたことは1度もない。



「本当につれないなぁ。俺には菓乃ちゃんだけだっていうのに」



そんなの嘘ばっかり。



私は知っている。



パーティーがあるごとに大河は、他の企業のお嬢様を口説いて遊んでいる。



パーティーを逃げ出そうとしている私より、よっぽど悪いんじゃないか。


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