一途な執事と甘いティータイム



まだ何も知らない小学低学年の頃。



大河とここで隠れんぼをして遊んだことがある。



絶対に見つかりたくないと負けず嫌いな私は、小さな体を利用して、大人たちの間をすり抜け奥へ奥へと進んでいった。



ここは大河グループの豪邸。



大河のテリトリーで私には断然不利。



それでも絶対に負けるのは嫌。



そんなことを考えながら隠れ場所を探して逃げているうちに、パーティーの参加者は立ち入らないだろう場所へと出てきてしまった。



あんなに盛り上がっていたパーティー会場とは思えないほど静かな廊下。



さぁ、右と左どっちに行こう。



そう考えていると、遠くから足音が聞こえてした。



もしかして、もう見つかった?



このままじゃ見つかってしまう、負けてしまう。



どうにか隠れ場所を探そうとするけれど、この近くには見当たらない。



半泣きになりながらキョロキョロとしていると声をかけられた。


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