一途な執事と甘いティータイム
「わぁーお部屋だー!」
小さいけれど、ふかふかなソファーにベッド。
壁際には机も置かれている。
なんだか秘密基地みたいで嬉しくなった。
「ここなら誰にも見つからないよ」
「ありがとうお兄ちゃん!」
私がそう言うと、男の子は嬉しそうなのにどこか寂しそうな表情を浮かべていた。
「ここはお兄ちゃんのお部屋?」
「うん、そうだよ」
「へぇー凄いね!あれ?このドアはなーに?」
部屋の隅にチェーンがかけられたドアがあった。
どう見ても開けられそうにはない。
「このドアはね、僕の秘密の扉だよ」
「秘密ー?」
また秘密という言葉が出てきて、好奇心が湧いてきた。
「ねーねー!教えて?菓乃にも教えて!」
「いいよ、この前初めて開けられたんだ。一緒に行ってみよっか」