一途な執事と甘いティータイム



「何してるんですか、お嬢様」



……嫌な声がした。



「えっ……なんで」



ジーンズに薄手のシャツ。



そこには私服姿の有嶋がいた。



有嶋って今日は休みだったはずじゃ……。



「せっかくの休暇だったっていうのに、手のかかるお嬢様ですね」



ん?なんか私、休暇を潰されたって怒られてる?



「私は呼んでないし。勝手に来たのはそっちでしょ?」



「何言ってんだよ、今パーティー会場の中ではお前がいないって大騒ぎなんだぞ?誘拐でもされたんじゃないかってな」



うそ……まさかそんな状況になっているなんて。



そのせいで俺は呼び出しをくらって、と小さな文句も聞こえた。



っていうか、有嶋の口調が……執事らしからぬ普通の男子高校生に。



それだけ休暇を潰されたことにお怒りということか。



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