明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~

まるで父親のような発言に胸が熱くなる。

しかも、サーベルを向けられたときとは打って変わって柔らかな表情をしているので、直正も緊張が緩んできている。

唐突に話しかけられたせいで返事ができない直正に一瞬笑みを漏らした信吾さんの姿が、昔の彼そのものでうれしかった。


直正は初めてのビーフシチューに夢中になった。

口の周りにスープをべっとりとつけて、牛肉をまさに貪り食べている。


私ひとりの稼ぎでは野菜ばかりで、こんな高級品には到底手が届かなかったのだから当然だ。


「いい食いっぷりだ」
「申し訳ありません。直正。フォークの音を立ててはいけません。こぼさないで」


マナーなんて関係なく、本能のままにという感じで食べ進むので焦る。


「二歳では仕方がない。これから覚えればいい」


これからって……。
もうこんな機会はないだろうに。

信吾さんは真っ先に食べ終わり、甲斐甲斐しく直正の世話を焼く。

口の周りを拭いたり、ときにはスプーンでスープを飲ませたり。
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