明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~
それなのに、ひどい扱いをされるどころか温かい気遣いを感じる。
「なにか勘違いしているようだな。許さないと言ったはずだ」
ゆっくり顔を上げると、どこか悲しげな彼の瞳に胸が苦しくなる。
「わかっております」
私が返事をすると彼は突然立ち上がり歩み寄ってくる。
そして私を畳に押し倒した。
「キャッ」
「八重。直正は誰の子だ」
私の顔の横に両手をつき見下ろしてくる信吾さんは、強い眼差しを注ぐ。
なにも言えないでいると、彼は顔をしかめて声を振り絞る。
「俺の子、か?」
「違います」
『あなたの子です』と告白したら、彼が苦しむことになる。
自分の妹を傷つけた者の家族との間に授かった子を愛せなんて、酷としか言いようがない。
それなら、事実は伏せたまま生きていったほうがいい。
「それなら誰の子なんだ。誰にこの体をさらした」
「や、やめて……」
信吾さんは私の浴衣の襟元に手をかけて、グイッと開いた。