明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~

「佐木さんが?」


仕事を紹介してくれただけでなく、今でも気に留めてくれているとは。


「あぁ。佐木だけでなく、病院関係者が皆、こぞって心配しているみたいだよ。きっと真田さんがひたむきにコツコツ働いてきたから、他の人たちからの信頼が厚いんだ。ここでの評判もいい。口数は少ないけどすこぶる真面目に黙々と働いてくれると聞いている」


そんな評価をしてもらえているとは知らなかった。

子爵令嬢としてまともな苦労もしてこなかった私には、全力を傾けるということ以外になんの武器も持たなかったからそうしてきただけ。


「今回の件、一応社長の耳には入れさせてもらった」
「えっ……」


顔が青ざめる。
警察を呼び寄せるような人間は迷惑だろうと思ったからだ。

解雇と言われるのではないかと。


「心配しないで。社長はなかなか器の大きな人間でね。困っている人を放っておけないたちなんだ。なにかあれば自分が対処するからと言っているくらいだよ」
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