明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~
「あぁ」
「中に入りましょう。立てますか?」
「八重」
もう一度立たせようと彼の腕に触れた瞬間、強い力で引き寄せられて唇を奪われた。
「こ、こんなところで……」
「八重が欲しいんだ」
私を玄関の引き戸に追い詰めて、お酒の匂いの漂う唇をもう一度押し付けてくる。
「八重」
なぜか切羽詰まったような声色で私を呼び、耳朶を甘噛みしたかと思うと、浴衣の襟元から手をするりと入れてきた。
「しっかりしてください。ここは外です」
慌てて襟元を押さえて彼の手を制した。
「俺を拒否するのか?」
苦しげな表情で問われ、困ってしまう。
なにがあったの?
「そういう問題ではありません。中に」
「お前もこんな気持ちだったんだな」
「えっ?」
なんのこと?
問いただしたかったものの、彼がゆっくり立ち上がったので、私はその体を支えた。
玄関で無造作に靴を脱ぎ捨てた彼を部屋に連れていく。
「今、お水をお持ちします」
「ここにいろ」