明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~

大きな声が出た。


信吾さんは私に体を差し出せとは言ったけれど、常に優しく、そしていたわるように抱く。
私は嫌悪感どころか、その行為に喜びすら感じている。

もう愛を口にしてはならない人から、無言の愛をもらっているような錯覚があるのだ。

ただの思い過ごしかもしれないけれど。


「真田さん。君はとても純粋な人のようだから、あえて言わせてもらう。黒木さんとの未来があると思ったら大間違いだ。君たちは幸せにはなれないよ。もしふたりにその気があったとしても、黒木家が許すはずもないし、世間は好奇の目でしか見ないだろう」


なにも言い返せない。

信吾さんにその気なんてないだろうし、ここで生活していることを今まで誰にも明かさなかったのは、そうした懸念があるからだ。


しかし、『未来があると思ったら大間違い』という言葉に胸をえぐられた。

信吾さんとの幸せな未来を期待してはいけないことは十分承知しているのに、心のどこかにそんな気持ちがあることを否定できないのだ。
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