明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~
体が火照るのは感冒の熱のせいか、それとも愛する人に触れられたという高揚感なのか……。
「八重。俺がお前たちを守ってもいいか?」
大きな手で頬を包まれまっすぐな視線を向けられると、胸がいっぱいになる。
一旦止まっていた涙が再びあふれ出した。
「はい」
「ありがとう。今はゆっくり休め」
涙を優しく拭った彼は、手のひらを私の目の上に置き閉じさせた。
その晩はやはり熱が上がってしまい、頭痛も悩まされて苦しんだ。
しかし時折信吾さんが様子を見に来て、私の体を支えるように起こしては水を飲ませてくれた。
「直正はすやすや眠っているよ。もう熱もなさそうだ」
「ありがとうございます」
これほど献身的に看病をしてくれるとは思ってもいなかったので、感無量だ。
優しい彼は少しも変わっていなかった。
翌朝になると直正はすっかり元気になり、部屋の外から声が聞こえてくる。
どうやら信吾さんが食事を用意してくれたようだ。