明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~

「お母さま!」
「直正、ひとりにしてごめんね」


すぐさま起き上がってきた彼を抱きしめると、ギューッとしがみついてくる。

もうまったく体は熱くない。


「黒木さんが卵焼き作ってくれたの。でも、おいしくなかった」


私が寝ている間に、夕飯も食べさせてくれたんだ。


「黒木さんはいつもご飯を作ってないからしょうがないわよ。でも直正のために作ってくださったんでしょ?」
「うん。お母さまはなんでもできてすごいって」
「黒木さんがそう言ったの?」
「そうだよ」


そんなことを……。


「その船は?」
「お母さまを起こさないようにいい子にしてたらあげるって」
「そう。いい子にしてたものね」


おそらく仕事に行く前に言い聞かせてくれたのだろう。


「お母さま、熱?」
「うん、よくなってきたわ」


まだ体はだるいし熱もある。
しかし、彼の前で沈んだ顔はできないと笑顔を作った。


「もう一回ねんねして。お母さまは頑張り屋さんだから、僕がねんねするように言いなさいって」
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