明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~

まさか信吾さんがそこまで言ってくれるとは。

きっと心配しつつ仕事に向かったであろう彼の姿を思い浮かべて切なくなる。


「そっか。そうする。でも、ここでしようかな」


絶対に強がっている彼にそう伝えると目が輝いた。


「うん!」


それから直正は、布団を運ぶのを手伝ってくれて、自分も私の布団に潜り込み、手にしている汽船でひとりで遊んでいた。


この子にも随分寂しい思いをさせてきた。

横須賀時代は病院連れていけば誰かしらがかまってくれたし、津田紡績でも他の女工の子供たちと仲良く遊んでいる。
しかしやはり親との触れ合いは少ない。


これから信吾さんとの生活がどうなるかはわからない。
でも、父親だと明かしたら、親子としてうまく関わっていけるだろうか。

父親のない子にしたのは私の勝手。
今さら受け入れてもらえないかもしれない。


「直正、黒木さんのこと好き?」
「うん。優しいもん」


よかった。
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