明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~
翌日からはまた工場の仕事に復帰した。
信吾さんは私を辞めさせようと考えているらしいが、仕事は嫌いではないし、突然やってきた私を雇ってくれた一ノ瀬さんや津田社長に恩があるので、続けられる限りは続けようと思っている。
信吾さんも一緒に家を出たけれど、私の顔を見つめて一瞬不安そうな顔をした。
すぐに元の表情に戻ったものの気になった。
そういえば……酔って帰ってきたとき、『お前もこんな気持ちだったんだな』と意味深長な言葉をつぶやき、様子がおかしかった。
しかもそのあと家にやってくる回数が極端に減ったけれど、あれはなんだったのだろう。
「今日は少し遅くなる。先に寝てて」
「わかりました」
まるで夫婦のような会話に、耳が熱くなるのを感じる。
信吾さんがあたり前のように実家ではなく私たちのところに帰ってきてくれるのがうれしかった。