明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~
一緒に風呂に入るのが初めてだからか、直正がくりくりの目を一層大きくして喜んでいる。
私は風呂の準備をする前に、慌てて信吾さんに手ぬぐいを渡した。
彼は雪遊びで濡れたままだったからだ。
「ありがとう」
先ほどの厳しい表情は少しも見受けられない。
とびきり優しい笑顔で、私を安心させてくれているようだった。
風呂のあとは昼食をそろって食べたが、直正は雪遊びではしゃぎすぎたらしく、私が後片付けをしている間に、信吾さんの膝の上で眠ってしまった。
信吾さんは奥の部屋に彼を寝かせると居間に戻ってきてあぐらをかいたので、私は前に座って口を開いた。
「ありがとうございました。お父さまは……」
直正がいるので聞けなかったことを早速尋ねると、彼は難しい顔をしてため息をつく。
「簡単にはいかない。それはわかってくれるか?」
「もちろんです。私……結婚という形を取らなくても、信吾さんのおそばにいられるならそれで……」