明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~

直正は外遊びが大好きなのでふたつ返事だ。
菊さんに手を引かれて出ていった。


「八重。読んだ?」


すると母が先ほどの手紙を私に差し出す。


「いえ。手紙が忍ばせてあることを知りませんでした」
「そう。読んでごらんなさい」


信吾さんがしたためたものであろうけど、なにが書いてあるのだろう。
不思議に思いながらそれを手にした。


【初めまして。黒木信吾と申します。
本日は、私も一緒に伺えればよかったのですが、仕事が休めず申し訳ございません。
しかしどうしてもお母さまに謝罪しておかなければならないと、筆をとりました】


謝罪って? 逆ではないの……?


【私は、八重さんに直正を押し付けて苦労を強いてきました。駆け落ちを決意したとき、彼女を幸せにすると心に決めていたのにできておりませんでした】


「そんな……」


思わず声が漏れる。
黙って消えたのは私で、押し付けられたわけではないのに。
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