明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~
私がうなずくと母は目を丸くしている。
「親切にしてくださった方がいて、直正が二歳半頃までは横須賀に。東京に戻ってきて黒木さんと再会しました。そのあとは住まいを与えていただき、最近ではほぼ毎日、生活を共にしています」
「そんな苦労をさせたとは知らなかったわ。お父さまのことでも……。ごめんなさい、八重」
母が頭を畳につけて謝罪するので慌てて起き上がらせる。
「やめてください。お母さまはなにも悪くありません。お父さまのことで散々つらい思いをされたのでは? 私には謝らないでください」
「八重……」
母はこみ上げてくるものを抑えられないといった様子で、体を大きく震わせて涙を流す。
「お父さまはどうされていますか?」
「面会に行ったら、離縁を申し出されたの」
「えっ!」
思わぬ展開に息を呑む。