明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~
「昼寝は?」
「今日はしてないよ。カステラ食べたの」
まずい。
信吾さんに心配をかけたくなくて、男に囲まれたことは黙っておくようにと言い聞かせたが、カステラのことまでは口止めしなかった。
「八重に買ってもらったのか?」
「ううん。大きい会社に行ったの。そうしたらふたつもくれたんだよ」
直正は真剣に話し続ける。
私は信吾さんとチラリと目が合い、焦る。
「そっか。よかったなぁ」
そこで話を終えてくれたけれど、信吾さんが疑問を抱いたことだけは明確だった。
結局、直正が眠ったあと、すべてを白状する羽目になった。
「まさか、そんなことまでするとは。つらい思いをさせて申し訳ない」
ギリギリと音が聞こえてきそうなほど歯を噛みしめて怒りを抑えている彼の姿が痛々しい。
こうなるとわかっていたので言いたくなかったのに。
「仕方ありません。ご実家の憤怒はごもっともです」
「だからと言って!」