明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~
その週の金曜。
信吾さんは早めの帰宅をして、三人で夕食をとった。
先に食べ終わった信吾さんは、直正が頬にご飯粒をつけながら食べ進むのを、目を細めて見つめている。
「ごちそうさまでした」
「あいさつできて偉いな」
信吾さんはあからさまな叱責より、褒めることでしつけをしているようにも感じる。
褒められれば良いことを繰り返すからだ。
「直正。話がある」
「なあに?」
信吾さんが切り出すと、ドクンと心臓が跳ねる。
直正は彼を父として受け入れるだろうか。
信吾さんの表情が引き締まったからか、直正はパチパチと瞬きをして不思議そうな顔をしている。
「俺が直正の本当の父なんだ。長い間、八重と直正に苦労をさせて悪かった」
「信吾さん、そんなことは……」
子供相手に深々と頭を下げる信吾さんに慌てる。
その後、顔を上げた彼は神妙の面持ちだ。