明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~

「八重さまをお見送りしたら、私たちもその足で出ていきます。八重さまのいない真田家に未練はございません。なにかを失敗して旦那さまに折檻されるたび、八重さまは私たち女中をかばってくださった。そのご恩は忘れません」


たしかに父は女中たち使用人を足蹴にするようなところがあった。

その度に間に入ってきたが、恩と言われるほどのことではないのに。


「てる……。でも」
「八重さま。お母さまになられるんですよ。しっかりしてください。奥さまは今、買い物に出ていらっしゃいます、行くなら今です」
「うん」


それから私はすぐに着替えを済ませ、てると一緒に外に出た。

門番はいたが、てるが話をして注意をそらしている間に、女中のフリをしてすり抜け、車夫のもとへと走った。


それからてるも合流し、日比谷の外れにある産院で体を診てもらったところ、確実に妊娠していると言われて喜びを分かち合う。
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