My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 3
私はこの世界の住人ではない。
元の世界に帰るために今こうして旅をしていて、この世界の皆との別れはどうしたって避けられないことだ。
ふと、ドナの言葉を思い出す。
――早くいなくなってくれた方がさ、寂しい気持ちも少なくて済むだろ?
(そうだ。長くいればいるほど、その分別れが辛くなっちゃう……)
早く、帰らなくちゃ。
改めてそう決意を固め、顔を上げた。と、
「俺はセリーンともし別れるなんてことになったら間違いなく泣くね。まぁ、離れる気はないんだけどな」
アルさんがこちらを振り向き、私の背後へと熱い視線を送った。
「カノンとの別れは辛いだろうが、貴様との別れは涙が出るほど嬉しいだろうな。今すぐ視界から消えて欲しいくらいだ。むしろ今すぐ落としていいか?」
「相変わらずひっどぉー! でも無視は無くなっただけ進歩したのかなー? うっうっ」
「あはは、皆さんラブラブで羨ましいですね、殿下」
そう笑いながら言ったのはクラヴィスさんで、私は思わず噴き出しそうになってしまった。
(ラブラブって……)