My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 3
「ドナ、元気でね」
「あぁ、カノンもな」
「うん」
「アタシ、カノンに教えてもらった歌、ずっと歌ってくからな。ばあちゃんになっても、ずっと!」
「うん、うん!」
私は何度も頷く。
笑顔でさよならしたかったのに、出来ると思ったのに、結局ここで限界だった。
「私、此処で、ドナと友達になれて嬉しかった!」
「アタシもだ! ずっとずっと友達だからな!」
ぼやける視界の中でドナが顔を真っ赤にして泣いていた。私もきっと今同じような顔をしているのだろう。
「うん! ずっと、ずっと友達だよ!!」
そこで、ビアンカが地面を離れるのがわかった。
「ドナ! 絶対に迎えに来るからな! 待っていてくれよ!!」
「みんな、元気でねー!」
最後、王子と私の声とが重なった。
風音にかき消されドナ達の声はもう届かなかったけれど、ノービス一家全員が大きく手を振ってくれているのが見えた。
そしてあっという間にその姿も見えなくなる。
「ほらカノン、これを使え」
そう言って、後ろからハンカチが差し出された。
私はセリーンにお礼を言って涙を拭う。
――ライゼちゃんと別れるときもそうだったけれど、もう二度と会えないとわかっていてさよならするのはやはり辛い。
「やー、俺も思わずもらい泣きしちゃったわ」
アルさんのそんな声が聞こえてきた。
「お前はさっきティコもらって泣いてただろーが。いつまたユビルスの奴らが来るかわかんねーんだからな。しっかりしろよ」
続いてラグの呆れ声。
「なんだよー。お前だってなぁ、カノンちゃんと別れる日が来たら辛いだろ? 絶対泣くだろ!?」
「なんでそういう話になるんだ!」
ラグの怒声が聞こえてきて、その顔は見えなかったけれどなんとなく顔を赤くしているような気がして、ハンカチで口元を隠しながら小さく笑う。
(……でも、本当にいつかラグ達ともお別れするときが来るんだよね)
そう思ったら、また涙が滲んできてしまって困った。