月夜に笑った悪魔


「……へ?」


ここに……泊まる?
2人で?


一条組の家には帰らないってこと?
……気持ちの整理する時間なんてないじゃんかっ!?




「入れよ」


あるドアの前で立ちどまると彼は鍵を開けて。
私に部屋の中へと入るように促す。


……逃げられない。
今さら帰りたいなんて言えないし、またバイク乗るのも怖いし……。



「……お、おじゃまします」


緊張しながら、私は足を踏み入れた。


「とりあえず風呂入ってこいよ。そこら辺にあるのてきとーに使っていいから」


靴を脱げば、すぐに背中を押され。
私は脱衣所へと連れて行かれた。



服はまだ濡れている。
病院でタオルを借りて拭いたけど、乾いてはいない。



その状態でバイクに乗ったから、正直いまは寒気を感じるけど……。
暁のほうが濡れてるからもっと寒いのでは?


「暁が先に入ったほうが……」
「美鈴が先に入るか、一緒に入るかの2択。どっちにする?」


彼は手を伸ばして、私のワンピースのボタンに触れ……。


「先に入らせていただきますっ!」


私はすぐにそう返した。

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