月夜に笑った悪魔
「タオルと着替え持ってくるからちょい待って」
彼は笑ってから取りに行って。
タオルと着替えを私に渡すと、脱衣所の扉を閉めた。
今この場所には、私1人。
今夜は本当に2人っきりなら、気持ちを整理する時間はつまりあまりないということ。
……私はどうしたんだ。
私は暁が本当に好きなのか……。
生活のために一緒にいるだけではなかったのか。
潜入捜査の時は本気で嫌いになったはずなのに……。
今はあの時と同じ気持ちでもない。
嫌いではないのなら、やっぱり好き?
いやいや、そんなことは……。
こんなに早く別の人を好きになるもの?
私、心変わりはやくない?
和正が月城組だとわかって、あんなことをされて……今はもう好きではないけれど。
私の気持ちはその前までは、確実に和正のところにあったはず。
和正のことがあって少したったあとに芽依が来て争っていたけれど、それは生活を守るためであって。
……好きになる暇なんてなかった気がするんだけど?