月夜に笑った悪魔
私はすぐに電気のスイッチを見つけて、パチッとつけた。
部屋を照らす眩しいくらいのライト。
その光で彼は振り向いて。
目が合うと、
「暁、こっち来て」
私は窓のほうまで行って、手を差し伸べた。
彼は持っていたタバコを灰皿に押し付けて火を消してから私の手を取って、ベランダから部屋の中へ。
「寂しくなった?」
「いや、そうじゃなくて……。お風呂お先でした、って伝えようと思って」
「ほんとは俺と手、つなぎたかったんだろ?」
「な……っ!?なに変な妄想してんの!」
ぱっと手を離して軽く足を踏んずける。
さっそく、可愛くないことをした。
……好き、なのに。
自分の気持ちを自覚すれば心臓がドキドキ暴れて、顔もちゃんと見ることができない。
「美鈴」
視線を逸らしていれば、名前を呼ばれ。
目を合わせずに「なに」と返せば。
「あっためて」
彼は両手を広げた。