月夜に笑った悪魔
慌ててドライヤーを手に取って、髪を乾かした。
……けれど、髪を乾かし終わっても聞こえてくるシャワーの音。
どうしてもまた想像してしまう。
そうだ、テレビ。
テレビでもみてよう。
そうすれば音だってあんまり気にならないはずだし!
勝手にみてもいいよね?
広すぎる部屋なのに、物があまりない部屋。
そのリビングで1番存在感があるのがこの大きなテレビ。
近くの棚にはリモコンが見えて、私はそれを手に取ってテレビの電源をつけた。
そして、数秒後。
テレビから聞こえてきた音声は……
『霊媒師が選んだ心霊映像、第1位』
ナレーターの女性のやけに低い声。
黒い画面に赤文字で書いてあって、すぐにはじまった映像。
あるカップルがクリスマスパーティーを2人でしている、仲睦まじい映像だったんだが……。
そのカップルのカレシの背後にふと見えた人影。
真っ白な服を着た、髪の長い女性。
髪の長い女性は一瞬だけ映って、すぐに闇へと消えていった。
……いかにもこの世のものではないもの。
ヒヤッとして、一気に体の体温が下がる。
今度はちがう意味で心臓がはやく動くのがわかった。