月夜に笑った悪魔


聞こえてくるのは激しい雨音と、強い風の音。
天気は大荒れ。


て、停電、かな……。


落ちつけ、と自分に言い聞かせても雷がまた大きな音を立てて鳴り響くからちっとも落ちつかない。
変な汗まで出てくる。









……嫌でも蘇るのは、あの日の記憶。


私の両親が事故で亡くなった、あの日。
あの日もすごい雨が降っていて、雷が鳴り響いていた。



いつも通り両親に見送られ私が小学校へと登校した数時間後、学校に連絡が入ったんだ。


先生が出してくれた車に乗せられて、病院に行けば……そこにいたのは暗い顔をしたお医者さんと、冷たくなった両親。


両親に声をかけても反応もない。
ただ、体が冷たかったのをよく覚えている。



話を聞けば、車が暴走して轢かれてしまったらしい。
私の両親以外にも轢かれて、ケガをおった人が多数出た大きな事故。



しばらく思い出さなかったのに……やっぱり雷の音を聞くとだめだ。



手で耳を塞いで濡れたタオルを被るけど、どうしても音が聞こえてくる。
雷が近すぎる……。

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