月夜に笑った悪魔


「おまえってわりと弱点あるんだな。絶叫系がダメだったり、高いところがダメだったり」


あと首触られんのがダメだったか、と付け足して軽く笑われる。


……確かに、なんか今日は暁にいっぱい弱点を知られてしまったような気がするけど。


「……暁だって人のこと言えないじゃん」


バカにされたわけではない。
でも、笑われたのが少しムカついてそう返してしまった。


……また、可愛くないことをしてしまった。
私ってやつは……。



「言い返す元気はあるみてぇだな。じゃあもうだいじょーぶか」


それを聞いた彼は抱きしめていた腕を解いて。
離れようとするから、私はさらに強く暁にしがみついた。


……まだ離れたくない。
まだ、ぜんぜん大丈夫じゃない。



「……約束通り、あっためるから離れないで」


現在、体温が低いのは私のほう。
暁はもうあったかいけど……離れたくなくて、そう返した。

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