月夜に笑った悪魔
「なに」
なに、って……!
「それはこっちのセリフ!なにするのさ……っ!」
「首にキスしたくなったからしただけ。その格好、すげぇ唆る」
私の格好をよく見ると、彼は口角を上げる。
私が着ているのは彼のスウェット。
サイズが大きいから、ダボダボ。
……な、なんだ、唆るって。
な、なんだ、その顔は!
彼はまた私に近づいて首元に顔を埋めようとするから、私は全力で押し返した。
「ちょっと待ってバカっ!
……っていうか!暁、浮気男じゃん!まだ私、芽依のことについてなんの説明もされてないっ!」
また首を攻められてしまえば、私はなにも反撃できなくなる。
だから早めに聞きたかったことを口にした。
「ちゃんと理由教えて!そうしないと暁のこと一生“浮気男”って呼ぶから!」
そう言えば彼は少し笑って。
そのあとに体を離して、ちゃんと座り直すと私の目をまっすぐに見つめた。
「わるかったな。芽依のことちゃんと話さないでおまえのこと傷つけて」
伸びてくる手。
その手は私の手を強く握る。